老人ホームや介護施設探しを考え始めたら、まずはじめに手をつけておきたいことがあります。
それは、入居される方とご家族、それぞれが老人ホームや施設への入居について、どのような要望を持っているのかを、きちんと時間をかけて話し合って整理しておくことです。
老人ホーム探しのスタートライン
入居される方は、施設への入居をどのように考えているのか、入居したらどのような生活を送りたいのか、そして、ご家族はそうした生活にどのように関わっていくのか、そのために必要なことは何か。
こうしたことを老人ホーム探しの最初に行っておくことで、施設に求める条件が明確になり、ブレることなく、スムーズな施設探しが可能になるのです。
この作業を行うことが、いわば、老人ホームや介護施設探しのスタートラインに立つこととも言えます。
入居者ご本人の要望は?
要望を整理するうえで、最も重要なのは入居されるご本人のお気持ちです。
特に老人ホームや介護施設に入ることそのものにご本人が抵抗を感じている場合、ご家族は、何に抵抗を感じているのかを明らかにして、必ずご本人が入居に納得できるようにしておきましょう。
無理やりに入居させる形になると、入居後にうつ状態になってしまったり、他の入居者や施設とのトラブルの原因になることもあります。
また、認知症のような症状があらわれる原因にもなりかねません。
入居前にご本人と話し合っておきたいテーマと要望内容の例をあげておきましょう。
老人ホームや介護施設への入居をどう思うのか
ご家族が親御さんの施設などを探す場合は、まず最初に入居者ご本人の入居意向をきちんと確認したうえで、施設探しを進めることが大切です。
入居したくない
- 絶対入居したくない
- できれば入居したくない
上記のようなご本人が施設への入居に納得がいかない場合は、無理に施設へ入居をさせることはおすすめしません。
こうした場合は、なぜ入居が嫌なのか、また、今後どういう身体の状態になったら入居を考え始めるのか、といったことから話し合いを始めるとよいでしょう。
一番避けたいのは、施設への入居を無理に進めようとして、入居者の方が「(家族が)施設に無理やり押し込もうとしている」と考えて、意固地になってしまうことです。
多くの方は慣れ親しんだ自宅で過ごしたいと考えるのは当然のお気持ちですし、いざとなるとなかなか本音で話し合うのも難しいこともあるかもしれません。
きちんと時間をかけて話し合い、入居者ご本人とご家族双方が納得したうえで、施設探しをスタートしたいものです。
入居したい・入居を前向きに検討したい
- 将来のために、そろそろ入居の準備をしておきたい
- 不安なので、できるだけ早く入居したい
入居者の方が施設への入居に前向きであれば、より具体的な要望を整理しましょう。
施設の立地や環境、施設での暮らしの内容や設備面、費用といったことへの要望です。
入居するとしたら立地や環境は
- 今の家の近くが良い
- 家族の住まいの近くが良い
- 今の家や家族と同じ区域(例.市区町村など)内が良い
- 自然が多い静かなところで暮らすのが良い
- 買い物などに出歩けるような街に近い施設、または街中にある施設が良い
- 温泉などがあるリゾート的な施設が良い
立地では、今の家やご家族の住まいの近くは安心ですが、注意したいのは「自然が多い」とか「静かな場所」の場合です。
「自然が多い」「静かな場所」の施設は、交通が不便だったり、高齢者の方には厳しい環境であったりすることもありえます。
そのような要望自体が悪いわけではありませんが、実際の施設見学などの際にきちんと確認するようにしましょう。
施設の環境チェックについては下記の記事もご覧ください。
記事リンク:
老人ホームや介護施設の見学時は周辺環境もチェックしよう
ホームや施設そのものへの要望は
- あまり干渉されずに静かに過ごせるホームが良い
- 自分の趣味ができるイベントやサークルなどがある施設が良い
- 友人を呼んでも恥ずかしくない豪華な施設が良い
- 庭いじりや園芸などができる施設が良い
- 居室はどうしても和室が良い
ホームや施設での暮らしや設備は、各施設によって様々です。絶対にこだわりたい条件がある場合を除けば、この時点であまり細かく決める必要はありません。
ホームや施設での暮らしや設備に関する要望整理については、施設見学の際のチェックポイントの記事が参考になりますのでこちらもご覧ください。
記事リンク:
老人ホーム見学時のチェックポイント
費用面での要望は
- なるべく費用を安く抑えたい
- 家族に迷惑をかけたくないので自分の出せる範囲の費用に抑えたい
- 余裕はあるので、充実した老後のために費用を理由に妥協したくない
老人ホームや介護施設の費用は、施設の種類によって相場も異なりますし、また、同じ種類の施設同士でも、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは、かなり幅があります。
施設による費用の相場や、出せる費用の範囲を考慮しながら考えましょう。
記事リンク:
有料老人ホーム費用の相場はどれくらい?その内訳は?
費用面のみで決めないように注意
費用面を考える時に気をつけておきたいのは、「費用面のみ」を考えて、早い段階で施設の種類を決め込んでしまうことです。
例えば、「特養の費用が安いから、特養にしよう」と短絡的に考えないでいただきたい、ということです。
特養は慢性的な施設不足で簡単に入居することは難しい状況が続いています。
また、特養ごとでも施設同士で様々な違いがあるため、特養に入居できればもう老後は安心と必ずしも言い切れません。
「費用面のみ」でなく、あくまでも入居者の方の今後の生活への要望やご意向を第一に考えて施設探しをしていただきたい、ということです。
ちなみに特養に入れない時の方法ついては下記の記事でご説明しているのでこちらもご覧ください。
記事リンク:
特養に入れない時どうするか?3つの選択肢とおすすめの方法
ご家族の要望は?
入居者のご家族の要望もきちんとまとめておきましょう。
入居者の方にホームや施設でどのような生活を送ってもらいたいか、そうした入居者の方のホームや施設での生活とご家族はこれからどのように関わっていくのか、といった観点で整理していきます。
ご家族の要望としては、例えば下記のようなことがあげられます。
- あまり遠方だと通うのが大変なので、なるべく近くの通いやすい場所が良い
- できるだけ入居者本人の要望に沿った場所が良い
- なるべく新しくて、きちんと安全の管理をしてくれる施設が良い
- 介護スタッフのレベルが高いところに入れたい
- 金銭的な余裕が無いのでなるべく費用を抑えたい
老人ホームや介護施設への入居は、入居者の方が入居したらそれで終わり、というものではありません。
むしろ、入居後のご家族のサポート如何で入居者の方の施設での生活は大きく変わります。
その意味では、立地や環境の条件として、「なるべく通いやすい場所」というのは、ご家族がきちんと考慮しておくべき条件ですね。
下記の記事で入居者のご家族の役割の重要性をご説明しているのでぜひご覧ください。
記事リンク:
老人ホームと入居者の家族の役割
入居者ご本人の状態にも注意をしておく
特にご家族が気をつけておきたいこととして、入居する施設は、入居者ご本人の状態(例.自立か要支援・要介護か。要支援・要介護の場合はその重度)と、施設の他の入居者の状態にあまり違いがない施設を選ぶ、ということを忘れないようにしておきましょう。
例えば、入居者ご本人が自立の状態で、これから元気で活発なシニアライフを希望しているのに、要介護度の高い他の入居者ばかりの施設に入ってしまったら、恐らく元気な入居者の方は気が滅入ってしまいます。
また、そうした施設では当然要介護度の高い方に人手を取られてしまいます。
特に、自立・要支援・要介護の誰でも受け入れることを謳う混合タイプの介護付き有料老人ホームではこういったことがあります。
見学の際にもきちんと確認すべき点ではありますが、事前に心がけておきたいことの一つです。
最低限の要望ポイントだけでも整理しよう
色々なご事情により、老人ホームや介護施設探しの際に、入居者ご本人とご家族できちんと話し合いを持てる機会というのは意外に少なかったり、要望をきちんとまとめたりするのが難しい場合もあります。
また、緊急性が高く、今すぐにでも入居先を決めなきゃ、という方々もいらっしゃるでしょう。
それでも、入居者の方やご家族の方々にとってより良い老人ホームや施設を選ぶために、最低限、「絶対に嫌なポイント」や「絶対に譲れないポイント」だけでも整理しておくようにしたいものです。
要望やポイントをまとめる方法として、まずは老人ホーム検索サイトの資料請求でいくつかの施設の資料を入手して、それらを見ながら入居される方とご家族で話し合ってまとめていくのもおすすめです。
信頼できる老人ホーム・介護施設をお探しの方へ
入居者の方やご家族の皆さんが信頼できる老人ホームや介護施設を探すには、信頼度の高い老人ホーム検索サイトで資料請求を行うのが近道です。
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