特養の待機人数減少が判明、入居困難な状況は変わらず

2017年3月27日、厚生労働省が特別養護老人ホーム(特養)の入所申込者の状況を発表しました。

その結果、2016年4月時点の特養待機者数は36.6万人で、前回調査結果が発表された2014年時の52.4万人から約30%程度減少したことがわかりました。

しかし、この特養待機者数の減少は、特養への入居がしやすくなったことを示すものとは言えないようです。

厚労省が調査結果を発表、特養待機者数は減少

特養の待機人数の減少は、昨年の後半から民間団体や報道機関の調査で言われ始めていました。

このことについては、状況をまとめて当サイトでもお伝えしていました。

記事リンク
特養の待機人数が減っているのは本当?入居しやすくなったの?

今回の厚労省の調査結果は、こうした既報を裏付けるものとなりました。

参考リンク
特別養護老人ホームの入所申込者の状況 |報道発表資料|厚生労働省

今回の調査結果の発表では、2014年に発表された前回結果よりも、特養の待機人数は52.4万人から29.5万人に減少しました。

  今回調査 前回調査
申込者全体数 29.5万人 52.4万人
うち在宅の方 12.3万人 26.0万人
うち在宅でない方 17.2万人 26.4万人

※厚生労働省資料から作成

ただし、今回の調査では、2015年4月の介護保険法改正を受けて、対象者が要介護3~5の方々に限定して集計されました。

前回調査で対象になっていた要介護1~2の方々は今回の調査では7.1万人いるため、そうした方々を含めると、今回の調査での特養の待機人数は36.6万人ということになります。

都道府県別では東京都が最も多く、24,815人、次いで神奈川県の16,691人、さらに兵庫県14,982人、北海道12,774人、大阪府12,048人となっています。

  今回調査 前回調査
東京都 24,815人 43,384人
神奈川県 16,691人 28,536人
兵庫県 14,983人 28,044人
北海道 12,774人 27,547人
大阪府 12,048人 12,269人

※厚生労働省資料から作成

特養入居困難な状況は変わっていない

さて、この結果から特養への入居困難なこれまでの状況が改善されたかと言うと、残念ながらそうは言えない状況と考えられます。

今回の待機者数減少の主な要因は、2015年4月の介護保険法改正にあります。

この改正を受けて、従来は要介護1以上であった特養入居の条件が原則として要介護3とされました。

この条件が厳格に適用された結果、要介護1~2の方々は特養の申し込み対象から外れ、入居ができなくなりました。このことが今回の特養待機者数減少に最も大きく影響を与えたと考えられます。

要介護1~2の方々の中には認知症を患うなどで、一般の介護が難しく、本来は特養での介護を必要とされている方々も多くいらっしゃるはずです。

ですが、今回の法改正の影響でこうした方々は特養の入居対象とはみなされていないため、ご本人やご家族が困難な状況に陥っている可能性があります。

また、こうした入居条件の厳格化については、一部の施設で誤った認識で運用されている例も報道されており、特養への入居を希望する方々に厳しい状況が続いていると考えられます。

このあたりについては以下の記事でも詳しくご説明しています。

記事リンク
特養の待機人数が減っているのは本当?入居しやすくなったの?

それから、従来の集計では、同一人の複数施設への申し込みや申し込み後に亡くなった方の数も申込者としてカウントされていました。

今回の調査ではそうした申し込みについて対象から排除して集計した結果であり、これも今回の調査で待機人数が減少した要因の一つです。

このように、特養待機者減少の主な要因は、入居条件の厳格化と集計方法をより正確なものにしたことによるものであり、いわば、現状に即した結果というよりも、机上の数字の調整による結果によるものと言わざるを得ません。

実際に特養での介護を必要とされている方々の数が減ったわけではないと言えます。

つまり、多くの方々にとっては、従来の特養への入居が困難な状況は変わっていないと考えた方がよいでしょう。

特養に固執しない施設探しも

特養への入居が困難な状況にさほど変化がないとすれば、特養入所希望のご本人や介護されているご家族の方々のご負担を考慮すると、特養待ちだけに固執するのはあまりおすすめできません。

そもそも、特養が人気なのは主にその費用の安さによるところが大きく、有料老人ホームなど他の種類の施設よりも介護施設として優れているからというわけではありません。

正直に申し上げれば、特養にもピンからキリまであるのが実際のところです。やっと特養に入れたので安心したら、ひどい施設で後悔したという話もよくあります。

ですから、施設への入居を検討する場合は、特養のみに限定せずに、有料老人ホームへの入居など、特養以外の選択肢も検討することをおすすめします。

良い施設を探すにはきちんと資料請求をして検討したうえで、見学や体験入居などで、しっかりと施設の見極めをすることが大切です。

以下の記事では特養に入居できない場合の選択肢とおすすめの方法をご説明していますのでこちらもぜひご覧ください。

記事リンク
特養に入れない時どうするか?3つの選択肢とおすすめの方法

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