老人ホーム入居に身元引受人は必須?その責任は?

老人ホーム探しを始めると、入居者の方の身元引受人が必要ということを耳にされることがあるでしょう。

一般的には施設へ入居する方のご家族が身元引受人となることが多いのですが、1人暮らしの高齢者の方や様々な事情から身元引受人を立てられない高齢者の方はどうしたらよいのでしょうか。

こちらの記事では、老人ホームへの入居と身元引受人についてご説明します。

約8割の施設は身元引受人を求める

老人ホーム入居の際、多くの施設では、入居者の方の身元引受人を立てることを求めています。

公益社団法人全国有料老人ホーム協会が平成25年に行った調査によれば、介護付き有料老人ホームの89.2%、住宅型有料老人ホームの82.2%、そしてサービス付き高齢者向け住宅の88.1%が入居に際して第三者の身元引受人を「立てている」と回答しています。

参考リンク:
公益社団法人全国有料老人ホーム協会の調査結果

一方で、近年、未婚率や離婚率の上昇、家族関係の希薄化などを背景に1人暮らしの高齢者の数は増加しています。

2014年の厚生労働省の調査によれば、1人暮らしの高齢者の世帯数(単独世帯)は595万9千世帯で、これは全世帯数5043万1千世帯の11.8%に達しています。

参考リンク:
平成26年 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省

こうした1人暮らしの高齢者の方や、何らかの理由で身元引受人を立てることができない高齢者の方にとって、老人ホームへの入居を検討する場合、施設側が身元引受人を求めることは頭の痛い問題です。

また、親御さんなどが老人ホームに入居される場合でも、ご家族の中で誰が身元引受人になるのかは、その役割などを理解したうえで決める必要があります。

老人ホーム入居者の身元引受人の役割

老人ホームに入居する方の身元引受人の役割は以下のように多岐にわたります。

通常はこれらすべての役割を常に求められるわけではなく、施設によって求める役割には違いがあります。

ただし、連絡窓口と引取人の2つは多くの施設で身元引受人の役割としていることが多いです。

役割その1. 連帯保証人

まず、連帯保証人としての役割です。入居者の方が月額利用料などの費用を何らかの理由で支払うことができなくなった場合、身元引受人の方が代わりに支払う義務を負います。

役割その2. 施設との連絡窓口

入居者の方が病気になったり、ケガをした場合などに、施設からの連絡はまず身元引受人の方に行きます。こうした入居者の方の緊急事態の連絡窓口としての役割も身元引受人は担います。

役割その3. 入居者に代わり意思決定

入居者の方の判断能力が低下してきた際は、入居者の立場に立って施設側との話し合いを行い、意思決定を行う役割もあります。

役割その4. 引取人

契約を解除した場合や入居者の方が亡くなった際に、身柄や遺留品の引受を行う引取人としての役割も求められます。

一般には入居者の家族がなることが多い

このように様々な役割を持つ身元引受人ですが、一般的には老人ホーム入居者の方のご家族や親せきがなることが多いです。

中には「身元引受人は入居者の家族とする」と、家族に限定している施設もあります。

身元引受人がいない場合はどうするか

それでは、身元引受人になってくれる身内がいない場合に老人ホームへの入居はどうしたらよいでしょうか。

身元引受人不要の老人ホーム・介護施設を探す

一番良い方法は身元引受人が不要の施設を探すことです。

老人ホーム入居で身元引受人が求められることはまだ多いですが、最近では徐々に身元引受人が不要の入居希望者の方の相談にのってくれる施設も増えてきています。

全国有料老人ホーム協会の調査結果では、入居希望者が身元引受人を立てられない場合の代替手段の有無について、介護付き有料老人ホームの51.4%、住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅のそれぞれ約3分の1が「代替手段がある」と回答しています。

身元引受人に関する対応は各施設によってまちまちですから、あきらめずに相談してみましょう。

公的な相談窓口に相談する

また、市町村の高齢福祉課、地域包括支援センター、高齢者総合相談センター(シルバー110番)などの高齢者の福祉や生活に関する公的な相談窓口にも相談してみましょう。

ご参考に東京都と大阪府で公開されている各相談窓口の情報をご案内しておきます。

参考リンク:
地域包括支援センター及び在宅介護支援センター一覧 東京都福祉保健局

大阪府/福祉総合相談窓口の設置

民間企業などの身元保証サービスを利用する

身元引受人がいない高齢者の方向けに民間の企業や一般社団法人などが提供する「身元保証サービス」を利用する方法もあります。

ただし、こうしたサービスを利用する場合は、費用やサービス内容などをよく確認したうえで慎重に利用するようにしましょう。

成年後見制度の利用を検討する

身元引受人を求める老人ホームなどの施設のなかには、身元引受人がいない場合は成年後見人がいればよい、という施設もあります。

ですので、身元引受人がいない場合は成年後見制度の利用も検討してみましょう。

成年後見制度とは、高齢者など判断能力が十分でない方々を、そのことが原因で不利益が生じないよう、法律的に保護・支援する制度です。

参考リンク:
法務省:自分のために-みんなの安心 成年後見制度(せいねんこうけんせいど)

成年後見制度が言う「判断能力が十分でない」とは、精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)のために判断能力が十分でないことを意味しています。

この成年後見制度は、大きく法定後見制度と任意後見制度の2つに分けられます。

法定後見制度とは

法定後見制度は、すでに判断能力が衰えた方を対象にして保護します。

この判断の衰えの度合いによって、法定後見制度は「後見(ほとんど判断出来ない方が対象)」「保佐(判断能力が著しく不十分な方が対象)」「補助(判断能力が不十分な方が対象)」の3つに分かれます。

法定後見制度では、こうした対象の方の判断の衰えの度合いに応じて、後見人(または保佐人、補助人)が対象の本人の代理で財産や契約などに関する法律行為を行ったり、被害をもたらす契約を取り消したりしてくれます。

任意後見制度とは

任意後見制度は、対象のご本人が十分な判断能力のあるうちに、将来の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、自分の生活、療養看護や財産管理を代理で行う人(これが任意後見人です)をあらかじめ自分で選んでおくものです。

任意後見制度では、誰を任意後見人にするのか、後見を委任する範囲はどこまでかは、話し合いで自由に決めることができます。

老人ホームや介護施設へ入居したいが身元引受人がいない、という方は、主にこの任意後見制度の利用を検討することになるでしょう。

法定後見制度はすでに判断能力が十分でなくなった方が対象ですが、任意後見制度であれば、ご自身に判断能力が十分あるうちに任意後見人を決めるわけですから、ご自身の信頼できる人、納得できる人を決めることができるというわけです。

親族や身内がいらっしゃらない方は、司法書士や弁護士、社会福祉士などの専門職の人が後見人に就く場合が増えています。

制度の普及団体に相談してみる

このように身元引受人がいない方に心強い成年後見制度ですが、制度への理解が進んでおらず、十分に利用されているとは言えないのが現状です。

こうした現状に対して、司法書士たちで構成する団体「公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート」は成年後見制度の普及に努めています。同団体のサイトでは全国の相談窓口を探すこともできます。

参考リンク:
公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート

身元引受人がいない場合もあきらめずに探してみよう

老人ホーム入居の際に必要な身元引受人の役割と身元引受人がいない方の選択肢についてご紹介しました。

身元引受人がいない場合でも、あきらめずにご紹介した選択肢をご検討ください。

できれば、身元引受人不要の施設やできるだけの対応をしてくれる施設を探して入居できるのが一番安心です。

一つ一つの施設を周って探し歩くのは現実的ではありませんから、老人ホーム検索サイトで検索して、「身元引受人を指定できない場合でも、ご相談ください。」とか「保証人・身元引受人は不要です。」などと記載されている施設に、まずは資料請求してみるのがよいでしょう。

そうした老人ホーム検索の際に信頼できるサイトが「LIFULL介護」です。

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