老人ホームとの契約!契約形態の違いと注意すべき点

老人ホーム選びのステップは、情報収集や資料検討を経て、見学による複数施設の比較検討、そして体験入居による最終確認と進め、入居する施設が決まったら、いよいよ契約となります。

ですが、老人ホームへの入居は非常に高額な買い物となります。

特に入居一時金がある場合は、契約はくれぐれも慎重に行ってください。入居まであと少しですが、最後まで気を抜かないようにしましょう。

老人ホームとの契約は老人ホーム選びでの1つのゴールと言えますが、いざ、契約となった時にあわてることがないよう、老人ホームとの契約については事前に知っておいた方が良いことがあります。

例えば、老人ホームとの契約形態による契約者の権利の違いや、途中の契約解除の場合や施設が倒産した場合などに、すでに支払ってしまった入居一時金の返還といった入居者の方を守る仕組みなどです。

老人ホームとの契約について知るためには、老人ホームの費用や老人ホームの種類に関して予め知っておくことが望ましいです。

下記の記事でご紹介していますので事前にお読みいただくと契約の理解に役立つと思います。

記事リンク:
有料老人ホーム費用の相場はどれくらい?その内訳は?

老人ホームと介護施設10種類の特徴まとめ

知っておかないと最悪退去も?

有料老人ホームやその他の高齢者向けの施設に入居する前には、必ず契約の形態や権利を確認しておくようにしましょう。

入居者の方と施設とがどのような形態の契約を結んで、それぞれどのような権利を持っているのか、また、それぞれの権利を行使するための条件などを理解したうえで入居の契約を結ばなくてはなりません。

契約形態によっては、最悪の場合、入居者の方が退去しなければならない事態もあり得ます。

それでは、老人ホームとの契約の種類を見てみましょう。

契約(方式・形態)の種類

利用権方式

利用権方式は契約時に入居一時金を支払うことで、施設に住む権利とサービスを受ける権利を得るものです。

一時金の償却期間や初期償却の割合、サービスの内容(生活支援サービスや介護サービスなど)は、施設ごとに異なります。

多くの有料老人ホームではこの利用権方式が契約形態として採用され、一部のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住・サ付き)でも採用されています。

ただし、利用権方式は根拠となる法律がないため、入居者の権利が十分に守られているとは言えないので注意が必要です。

例えば、入居している施設の経営者が変わった場合などに条件が変更となり、退去しなくてはならない可能性もあります。

また、利用権方式は相続の対象にはなりませんのでこちらも注意しておきましょう。

建物賃貸借契約

建物賃貸借契約は、居住とサービスを受ける権利が別になっている契約です。

月額利用料として家賃相当額を支払うことで住居を借りる契約です。

サービス付き高齢者向け住宅、一部の有料老人ホームで採用されています。

居住の権利(いわゆる借家権)は「借地借家法」で守られているため、経営者が変わっても入居している施設に住み続けることが可能です。

また、契約者の方(入居者の方)が契約期間中に亡くなった場合は、居住の権利は相続の対象になります。

終身建物賃貸借契約

終身建物賃貸借契約は、建物賃貸借契約の特別な形式で、契約者の方(居住者の方)が生存している限りは契約が継続し、亡くなった時点で契約が終了するものです。

こちらもサービス付き高齢者向け住宅、一部の有料老人ホームで採用されています。

居住の権利は「借地借家法」で守られていて、施設の経営者が変わっても住み続けることが可能です。

契約は相続はできませんが、夫婦で施設に入居していて契約者である配偶者の方が亡くなった場合は、同居していた配偶者の方が希望すれば、そのまま住み続けることも可能です。

所有権方式

所有権方式は、一般のマンションを購入するのと同様に居室を「区分所有権」として購入する契約です。

居室の改修や売却、賃貸が自由に行えます。

シニア向け分譲マンション、一部のサービス付き高齢者向け住宅で採用されています。

また、一般のマンションなどと同様に修繕積立金や管理費が発生し、固定資産税も支払う必要があります。

契約の形態は契約前に必ず確認しよう

このように、有料老人ホームやその他の高齢者向けの施設は、契約の形態によって権利が異なりますし、同じ施設や住宅のタイプでも違いがあります。

特に、居住している施設の経営者が変わった場合は、契約形態によって受ける影響度の大きさが変わりますので注意が必要です。

契約形態による権利については、各施設によって細かく決められていて、入居者側で変更することはできません。

入居後のトラブルにならないように、必ず契約前によく確認しておくようにしましょう。

入居者を守るクーリングオフと保全措置

さて、老人ホームとの契約形態と同様に、施設との契約時に確認しておきたいこととして、クーリングオフと保全措置があります。

入居者を守るこれらの項目が契約書にきちんと記載されているか、その内容はどのようなものかをしっかりと確認し、理解しておきましょう。

また、クーリングオフと保全措置は重要事項説明書に記載されていることもありますから、そちらもきちんとチェックするようにしましょう。

記事リンク:
重要事項説明書は老人ホームの情報が満載!

もしも、このあたりがあいまいな場合は、たとえ気に入った施設でも、その施設との契約については、一旦考え直していただくのが良いと思います。

クーリングオフ

クーリングオフ(短期解約特例制度)は、契約から90日以内の解約であれば、入居一時金を全額返還してもらえる制度です。

通常は、解約まで期間の利用料や現状復帰の費用が差し引かれた金額が返還されます。

クーリングオフは厚生労働省の指針で示されてはいるものの、法律で義務付けられているものではないため、契約書に記載されているかを適用の条件も含めて、施設側にしっかりと確認しましょう。

クーリングオフに関しては下記の点も確認するようにしてください。

  • 契約解除の予告期間(例.30日前など)が設定されているか
  • 返還金から差し引く費用の内容
  • 契約者(入居者)が契約から90日以内に死亡して契約が終了した場合は返還されるのか

保全措置

保全措置とは、老人ホームが倒産してしまった場合、入居者がすでに支払っていた入居一時金が保全される措置がとられる、というものです。

2006年4月以降に開設された老人ホームには、500万円を上限とする保全措置が義務付けられています。それ以前に開設された老人ホームについては確認が必要です。

また、公益社団法人全国有料老人ホーム協会の「入居者生活保証制度」に事業者(例.老人ホームなど)が加入していて、その事業者が倒産した場合などは、同協会の保証により500万円の保証金が入居者に支払われます。

参考リンク:
事業者のご入会/自治体向け | 全国有料老人ホーム協会のご案内 | 公益社団法人 全国有料老人ホーム協会

入居しようとしている施設に保全措置があるかどうか、ある場合はその金額について、契約書に明記されているかをしっかりと確認しておきましょう。

納得がいったら契約する

契約の形態や入居者を守る仕組みを理解して、入居を検討している施設の契約書の内容をしっかりと確認して、その内容に納得がいったら、いよいよ契約です。

施設に書面で入居申込を行います。

入居申込の際、10~50万円ほどの「入居申込金」が必要になる施設もありますが、この入居申込金についてはクーリングオフの対象とならないこともあるので注意が必要です。

入居申込後、施設長や他の職員との面談を経て、入居が合意に達すれば契約です。「入居契約書」を施設と取り交わします。

入居契約書のほか、下記の書類などが必要になりますが、必要なものは施設によって異なると思いますので施設によく確認しておきましょう。

  • 戸籍抄本
  • 住民票
  • 健康診断書(診療情報提供書)
  • 介護保険被保険者証
  • 生活費引落口座の通帳
  • 印鑑
  • 印鑑証明

契約後もまだ気を抜かずに

契約も無事終了すれば、あとは入居を待つのみですが、入居してからもしばらくは本当にその施設で暮らしていけそうか様子を見極めていただく必要があります。

入居された方がどうしても無理だと思うことがあれば、我慢せずに、今回ご紹介したクーリングオフの制度を利用することも選択肢に入れて考えてください。

そうした万が一の時のためにも、老人ホームとの契約の形態やその内容はきちんと把握しておくようにしましょう。

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