介護老人保健施設(老健)の役割は?

老人ホーム探しを始めると、「老健」という施設の名称を耳にする機会が増えるかもしれません。

「老健…? 特養は聞いたことあるけど…。よく知らないな」という方もいらっしゃるかもしれませんが、「老健」は介護保険3施設のうちの1つで、「介護老人保健施設」の通称です。

高齢者の方のための介護施設として、本来は特養(特別養護老人ホーム)とは別の役割があるのですが、残念ながら現状はそうはなっていません。

こちらの記事ではこの老健についてご説明しましょう。

高齢者のリハビリのための施設

老健は医療法人や社会福祉法人などが運営する公的な介護施設の1つです。

病気やケガなどで入院した高齢者の方が退院後に自力で生活を送ることができるよう、介護やリハビリ、さらに日常生活の世話を行う施設です。

病院と在宅の中間的存在

老健のイメージとしては、病院と在宅の中間的存在の施設と考えるとよいでしょう。

入居する方の自宅復帰を目的としているため、介護よりも医療関係のサービスが多く、充実しています。

医師と看護師が常駐するほか、薬剤師も配置され、看護師の夜勤もあるので医療面では安心です。

また、リハビリテーションの専門家の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も配置され、入居者の方の自宅復帰を支援します。

老健の入居対象者

老健の入居対象者は、65歳以上で、要介護1以上、そしてリハビリを必要とされている高齢者の方です。

老健に入居している方の要介護度の割合を見てみると、要介護度3~5の方が7割程度と特養よりもやや少なくなっていて、リハビリによる在宅復帰を目指す施設の特徴が表れています。

介護老人保健施設居住者の要介護度構成割合の年度推移図

介護老人保健施設居住者の要介護度構成割合の年度推移
出所:厚生労働省 平成26年介護サービス施設・事業所調査の概況

入所期間は原則3ヶ月

リハビリによる自宅復帰を目的とした老健の入所期間は原則3ヶ月とされています。

この期間に行うリハビリでは、自宅復帰の観点から特に排せつの自立を重視し、おむつを外せるようになるためのリハビリに力点がおかれるようです。

その他のリハビリ内容の力点は各施設によって違いがあります。

そして、リハビリの効果を見ながら、老健では入所期間の3ヶ月ごとに退去か入所の継続かの判定が行われます。

費用は特養よりやや高め

老健の費用は、特養と同じく、入居一時金(有料老人ホームなどで発生する、入居時に必要な家賃の前払い的な性格の費用)が不要で月額料金のみです。

その月額料金の金額は、特養よりはやや高めの10~15万円程度で、主な内訳は施設サービス費、居住費、光熱水料、食費、生活費などです。

特養よりやや高めとはいえ、他の有料老人ホームなどの施設と比べると、介護保険施設なのでやはり安いですよね。

この費用の安さは、特養と同じく、老健に入居を希望する方が多い理由の1つでしょう。

老健の役割と実状

さて、高齢者の自宅復帰を目指しリハビリを行う施設である老健ですが、入居者の実態は必ずしもその目的に沿ったものとは異なります。

増える長期入所者

先に見たように入居者の7割は比較的重い要介護度3~5の方たちで、こうした方たちの多くはリハビリを受けても自力で生活できるまでは回復せず、入所が長期にわたる方です。

老健は原則3ヶ月の入所期間ではあるものの、その運用は施設の方針にまかされているところもあり、中には数年も入居されている例もあるのです。もちろん、こうした方もいずれ施設から退去を求められることにはなります。

また、老健から退去を求められても、自宅で家族が介護をすることが難しい場合は、3ヶ月で退所しても、別の老健に入所するという方も少なくありません。

実は特養の待機組

このような高齢者の方々は本来は特養に入りたいものの、入ることができず、特養に比べれば入居がしやすい老健で特養入居を待つ、いわば特養の待機組です。

中にはなかなか特養の空きがでないため、異なる老健の間をキャッチボールのように行ったり来たりしている方もいらっしゃいます。

こうした老健の状況のため、現在では老健への入居も難しくなってきています。

本来の役割を果たせていない老健

老健の入居者の現状の背景には、特養への入所を希望している高齢者の方がなかなか特養に入所できないという状況があります。

そのため、充実した医療サービスを提供する能力を持ちながら、リハビリによる自宅復帰のための施設という本来の役割を十分に果たし切れていない、というのが老健の実状といえるでしょう。

ところで、こうした特養待ちための老健入居は、正直に言うと、あまりよい選択肢とは言えません。

特養に入れないときの対応については下記の記事でご説明していますので、ぜひこちらもご覧ください。

記事リンク:
特養に入れない時どうするか?3つの選択肢とおすすめの方法

信頼できる老人ホーム・介護施設をお探しの方へ

入居者の方やご家族の皆さんが信頼できる老人ホームや介護施設を探すには、信頼度の高い老人ホーム検索サイトで資料請求を行うのが近道です。

利用者満足度と信頼度No1の老人ホーム検索サイト「LIFULL介護」は月間120万人以上が利用する業界最大級のサイトです。

全国32000件の施設の中から、まとめて資料請求が簡単にできます。

LIFULL介護 公式サイト

LIFULL介護の詳細はこちらの記事でご説明しています。