サービス付き高齢者向け住宅のキホンを押さえる

サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住、サ付き)は、近年、有料老人ホームと並ぶ高齢者向け住まいの代表格として注目を集めています。

高齢者向けの賃貸住宅といえるサービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造や「見守り」などのサービスが提供され、高齢者の方が住みやすいように配慮がされています。

有料老人ホームよりも居住者の方の自由度も高く、これからの老人ホーム選びでは、今後ますます有力な選択肢となってくることでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の方が暮らしやすいようにバリアフリーを意識して造られ、また、「見守り」などの各種サービスが提供される賃貸住宅です。民間の事業者などにより運営されています。

有料老人ホームよりも入居者の自由度が高い

サービス付き高齢者向け住宅は、共同生活が中心になる有料老人ホームと比較すると、どちらかと言うと自立の方や要介護度が低い方を対象にして、より自由度が高く、自宅に近いイメージで、ご自分のペースで生活ができる住まいといえるでしょう。

国の方針で近年増加を続けている

サービス付き高齢者向け住宅は、国の比較的元気な高齢者向けの住まいを増やす方針の下で増加を続けており、一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会の「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」によれば、2015年末の総戸数は191,871戸にのぼります。

参考リンク:
サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム

サービス付き高齢者向け住宅戸数の年次推移図

サービス付き高齢者向け住宅戸数の年次推移
出所:「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム サービス付き高齢者向け住宅登録状況(H28.2末時点)」から作成

事業者は基準を満たす必要がある

サービス付き高齢者向け住宅の建設には都道府県への登録が必要で、登録には住宅の規模や設備、提供するサービス、さらに契約に関して一定の基準を満たすことが求められています。

その基準は下記のようなものです。高齢者の方が住みやすい造りとすることや、契約の際に入居者の方に不利益が伴わないようにする配慮がうかがえる基準となっています。

  • 各専用部分の床面積が25㎡以上
  • 各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えていること
  • バリアフリー構造であること
  • 安否確認サービスと生活相談サービスが必須
  • ケアの専門家(例.医師、看護師、介護福祉士など)が日中常駐して上記サービスを提供
  • 書面による契約
  • 契約では専有部分を明示する
  • 長期入院などを理由に事業者から一方的に契約解除しないこと

どんな「サービス」が提供されるのか

施設の種類名称にもなっている「サービス」の主な内容をご紹介します。

サービス内容は施設によって異なりますが、いずれも高齢者の方が施設で住みやすいよう配慮された各種のサービスが提供されています。

安否確認サービス

入居者の方が健在かを見守るサービスで、定期的な居室への訪問や食堂に集合した際に確認するなど方法は施設ごとに様々です。

また、人感センサーの設置により、入居者の異変を検知して、管理室やナースセンターに通報するシステムを採用している施設もあります。

生活相談サービス

生活相談サービスは、入居者の日常生活での困りごとや、介護、医療などについての相談や手配などを行ってくれます。

財団法人高齢者住宅財団の資料によれば、相談として多いのはやはり介護、医療に関するもので、次いで買い物やゴミ出しなどの日常生活に関する相談となっています。

サービス付き高齢者向け住宅の生活相談の内容グラフ

サービス付き高齢者向け住宅の生活相談の内容(※グラフ内の数字は%)
出所:財団法人高齢者住宅財団「サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究」(平成25年3月)

食事サービス

必須とされている安否確認サービス、生活相談サービスのほかに、およそ9割以上のサービス付き高齢者向け住宅には、食事を提供するサービスが付いています。

1日3食に限らず、「朝食と夕食」「昼食と夕食」など、各施設によって提供方法は異なります。

その他のサービス

上記の3つのサービスのほかにも、掃除や洗濯、買い物代行、病院への送迎といったサービスが各施設ごとにあります。入居者は希望したサービスを選んで受けることができますが、利用するには別途契約が必要になるサービスもあります。

介護サービスは別契約で利用する

サービス付き高齢者向け住宅で、やはり気になるのは介護サービスがどうなっているかという点でしょう。

利用者は個別に介護サービス事業所と契約する

サービス付き高齢者向け住宅の登録基準には、介護に関するサービスは含まれていないため、介護が必要になった場合は、入居者の方が個別に介護サービス事業所と契約し、介護保険の「訪問介護」や「デイサービス」などの介護サービスを利用することなります。

ご自宅で介護サービス事業者と契約をして介護を受けるのと同じイメージですね。

サービス付き高齢者向け住宅と同じ施設内に介護サービス事業者が入っていたり、介護サービス事業所と提携している施設もありますが、必ずしもその事業者から介護サービスを受けなければならないわけではなく、個別に他の事業者と契約することも可能です。

負担増には注意が必要

こうした介護サービスの利用の場合は、利用回数に応じた費用の負担が原則ですので、例えば、要介護度が重くなって利用回数が増えれば、その分費用負担が重くなるので注意が必要です。こうしたサービスの利用については下記の記事もご覧になってみてください。

記事リンク:
老人ホームで居宅サービスを利用する

また、老人ホームと介護保険については下記の記事でご説明していますので、こちらもご参照ください。

記事リンク:
老人ホームや介護施設と介護保険サービス

特定施設の指定を受けている住宅もある

また、「特定施設(特定施設入居者生活介護)」の指定を受けているサービス付き高齢者向け住宅の場合は、介護付き有料老人ホームと同様に定額で介護保険の介護サービスを受けることが可能です。

特定施設については、下記の記事でご説明していますので、こちらも参考になさってください。

記事リンク:
特定施設入居者生活介護って何?

費用は初期費用(敷金)と月額費用の2種

サービス付き高齢者向け住宅は建物賃貸借契約を採用しているところが多く、そのため、費用としては初期費用(敷金)と月額費用がかかります。

初期費用

初期費用は、敷金が家賃の2ヶ月分程度で数十万円程が一般的のようですが、施設によっては、これとは別に前払い金(家賃やサービスの対価として位置づけた費用)として数百万円、さらには数千万円必要な施設もあるなど、非常に幅があります。

また、賃貸住宅ではあるものの、礼金や更新料はかかりません。

月額費用

月額費用は、家賃や管理費、食事サービスの利用料などが内訳ですが、数万円~30万円程度とこちらも幅があり、施設が所在する地域や設備の豪華さなどによっても変わってきます。

他に介護が必要になれば、介護サービスの利用形態によって、介護費用がかかってきます。

ところで、サービス付き高齢者向け住宅の多くで採用されている建物賃貸借契約は、居住者の権利が守られており、施設の経営者が変わった場合などもそのまま住み続けることが可能です。また、居住の権利は相続の対象にもなります。契約形態については、下記の記事もご参照ください。

記事リンク:
老人ホームとの契約!契約形態の違いと注意すべき点

入居の条件と難しさは

サービス付き高齢者向け住宅への入居は60歳以上の高齢者の方、または、要支援・要介護の認定を受けている方であることが条件になっています。認知症の方については施設によって受け入れの条件が異なるようですので確認が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅は、最近数が増えていることもあって、特養などと比較して入居自体の難しさはさほどありませんが、低価格の施設については人気があるため、早めに埋まってしまうこともあります。

高齢者向け施設としての高まる期待

サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームなどの施設と比較して入居者の方の自由度も高く、より自宅に近い形での老後の過ごし方を重視される方には相応しい施設と言えるでしょう。

また、特養の絶対的不足や国の方針を背景に数が急増しているサービス付き高齢者向け住宅には、最近では要介護度の重い方の入居も増えてきています。

こちらの記事でもご説明したように、個別の契約で介護サービスを利用する場合は、利用者の方の要介護度と利用頻度等を考慮しておくことも大切です。

近年はサービス内容や設備にバラエティに富んだ施設も増えてきていますし、有力な高齢者向けの施設としてのサービス付き高齢者向け住宅への期待は今後も高まっていくことでしょう。

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